地域のためにできること

協和工業株式会社では昭和28年に船橋市で事業を開始して以来、常に地域と共に発展の道を歩んでまいりました。日本の「ものづくり」を支えているのは中小企業です。ものづくり企業は、地域の発展無くして事業を継続していくことはできません。わたしたちは協力し合い、時に国や県からのご協力もいただきながら、自ら先頭に立ち、地域とものづくり企業双方の発展のために努力を続けております。

■東日本大震災復興支援と天皇陛下行幸啓

自らも被災しながらの支援

2011年3月11日、当社では東日本大震災によって、栄町にある本社事務所と工場建物、工場外構の一部が液状化の被害を受けました。しかし震災後は、自社の建物等の復旧はもとより、各地から多数持ち込まれた産業用モータの修理に追われました。津波で被災したモータは海水をかぶり、ヘドロも付着。それを経験とノウハウを活かした洗浄乾燥処理で修理し、復旧していきました。

津波で被災したモータ。海水に浸かったため赤錆が発生し、ヘドロもこびりついている

各部を分解しながら損傷原因を調べ、洗浄処理に移る

洗浄乾燥処理が終了して、再生したモータ

中小企業の技術力を支えるために

東日本大震災の数日後、東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で操業中止に追い込まれた福島県南相馬市の産業用モーター部品製造会社、(有)ワインデング福島。同じ(株)日立産機システムの協力工場という立場から支援を申し出まして、立ち入り禁止直前にトラック4台で機材を運び出し、東金事業所へと運びました。
東金事業所の食堂と倉庫部分を1ヶ月かけて改装した工場で、機械設備設置の支援を行い、4月下旬に(有)ワインデング福島は事業を再開。従業員の居住場所も東金市内に準備し、各地にバラバラに避難していた従業員10名とその家族11名も東金に移ってきました。移転後も、仕事がとぎれることなく順調に事業を継続しておりましたが、2015年4月福島に新社屋を完成させ、新しいスタートを切ることとなりました。
また、自ら被災しながらも協力会社への支援を通して生産活動に尽力したとして、(株)日立産機システムから感謝状をいただきました。さらに「事業の再開や被災者支援に尽力した中小企業」として経済産業大臣からも表彰状を頂戴いたしました。

天皇陛下・皇后陛下の行幸啓

東日本大震災復興支援への取り組みが評価され、2011年9月27日に天皇皇后両陛下が当社東金事業所に行幸啓されました。(有)ワインデング福島に対する支援状況や産業用モーター部品の製造過程などをご視察され、「なんとか再開できました」と話す(有)ワインデング福島の清信正幸工場長に、「それはよかったですね」と天皇陛下がねぎらいのお言葉をかけられました。津波で家族が流されたことを話す同社の村松氏へは、皇后陛下が「大変だったのですね」と優しくお言葉をかけ、支援に尽力した当社会長にも激励のお言葉をいただきました。
これらの被災企業への支援活動は中小企業庁により公表されている「被災地の復旧・復興に貢献された中小企業の皆様方の取組」にも紹介され、表彰状も頂戴いたしました。

被災企業に対する支援を通じて操業再開に貢献したこと、天皇皇后両陛下の行幸啓においてものづくり中小企業に対する国民の理解の増進に寄与したとして、中小企業庁長官からの感謝状

■高齢者雇用

当社では定年を60歳と定め、定年後は希望者全員を65歳(基準者は70歳)まで再雇用しております。これは能力と意欲のある高齢者に、活躍の場を開こうという社会的なニーズの高まりを受けて社内で制度化されたものです。当社ではいち早く1996年からスタート。健康状態等を考慮し、定期的な面接を経て、業務にあたっております。
当社ではスキルマップにより、資格認定関係15項目・社外専門教育17項目の習得管理を行っております。各個人が「複数の公的資格を会社負担で取得する」目的をたて、有資格高齢者が社員の指導に当たるなどした結果、1人で15もの資格を取得する社員も育ち、出張作業等で大変喜ばれるなど大きな効果を発揮しております。
今後とも高齢者を含め「優れたものづくりは、まず人づくりから」を基本に、優秀な人材を積極的に育成し、活躍の場を広げていきたいと考えております。

■ベンチャープラザ船橋誘致

当社では新製品開発に必要な申請や講習のため、当時県内唯一の柏べンチャープラザにたびたび足を運んでおりました。しかし立地や交通の面で不便があり、船橋市内からも入居者があったことや、サポートを求めるべンチャー企業から多くの相談があったことを踏まえ、何とか船橋市にべンチャープラザを誘致できないかと関東経済局に相談したのが始まりでした。船橋市は千葉工業大学や日大理工学部も近く、国や県の機関があれば、産・学・官の連携もしやすいこと、ものづくり企業が大変多く集まっていることなどを丁寧に説明し、視察なども何度も重ねた結果、3年後にようやく認可をいただく事ができました。2007年にスタートして以来、入居期限が限られてはおりますが、資金調達の難しいべンチャー企業にスペースと各種助成の窓口が揃ったことで優秀なべンチャー企業が育ち、船橋市内企業の大きな柱に育っていくことを心から願っております。
べンチャープラザ船橋について詳しくは、http://www.smrj.go.jp/incubation/vpf/054269.html(外部リンク)

■船橋機械金属工業協同組合会館建て替え

昭和36年、船橋市内の金属工業60社が集まって設立された船橋機械金属工業協同組合は、鋳造から機械加工、プレス加工、板金・製缶加工、溶接・溶断加工、仕上げ組み立てと、幅広い業種が揃い、プラスチック成型加工までが加わり数多くの完成品を製造しております。船橋機械金属工業協同組合は、そもそも船橋市栄町の工業専用地に集まった金属加工会社の組合でしたが、立地条件の良さから現在はロジスティック関連事業所や原材料を扱う企業までもが加入しており、事業の継続のみならず、地域の護岸管理等の役割も担っております。
以前からありました組合会館は老朽化が激しく、また東日本大震災以来、防災拠点の整備が急務であったこと、またべンチャープラザ船橋の卒業生に受け皿となるような施設のニーズが高まっていたことなどから、双方の機能を持たせた組合会館に建て替えることになりました。当社はその中心メンバーとして、建て替えに関わる様々な働きかけにご協力させていただきました。
船橋機械金属工業協同組合について詳しくは、http://funabashi-kikai.web5.jp/(外部リンク)